厚生労働省の調査によると、「国民の2人に1人」が何らかのアレルギー疾患で悩んでいます。(平成23年8月 厚生労働省 リウマチ・アレルギー対策委員会報告書より)

それらアレルギーの原因は、90%以上がダニのフンおよび死がいだと言われています。

 

ではどのようにアレルギー症状が引き起こされるのでしょうか。

 

 

アレルギーとは?

私たち人間には、自分の体を外敵(異物)から守る免疫システムという仕組みが備わっています。免疫とは、自分自身を構成している細胞の構成部分(たんぱく質など)=自己と、外から侵入してくる自分以外の物質(細菌やウイルスなど)=異物を区別し、異物を排除しようとする働きのことです。この「免疫システム」がなければ、細菌やウイルスを排除できず、私たちは生きていくことができません。

アレルギー反応と言うのは、このような本来の免疫の仕組みがうまく働かず、あるいは過剰に働きすぎて、逆に自分自身を傷つけてしまう反応のことです。

いま、自然環境や社会環境が大きく変化するなかで、この免疫システムの異常が引き起こされ、アレルギーで悩む人が増えています。

 

 

アレルギーを引き起こすダニアレルゲン

ダニアレルゲンは、フン由来のものと、虫体(死がい)由来の2種類あります。

特にフン由来のダニアレルゲンは、活性が強く注意が必要です。

 

ダニの糞は球形に近い形で0.01mm~0.04mmの大きさです。乾燥すると粉々に壊れ、1μm(マイクロメートル)※1まで細かくなります。これがハウスダストとして空中を浮遊して人の口や鼻、皮膚から体内に侵入します。

ダニアレルゲンを吸い込むと、体の中で抗原抗体反応※2が起こります。その結果、気管支の粘膜が腫れたり、大量の痰が溜まったりして、気管支の内側が狭まることで呼吸困難に陥ります。これを喘息発作と言います。

 

※1 1μm=0.001mm

※2 抗原抗体反応:体に侵入した異物(抗原)を免疫細胞(抗体)が攻撃する反応。

 

子供のアレルギー症状

アレルギー疾患は、大人よりも子どもに多く、そのほとんどが乳幼児期、小児期に発症します。乳幼児期、小児期の子供が過ごす生活環境の改善がとても重要です。

 

<アレルギー症状 (例)>

【乳幼児】

・アトピー性皮膚炎

・食物アレルギー

【学童期】

・気管支喘息

・アレルギー性鼻炎

 

子供のアレルギー症状で多いのは、皮膚(アトピー性皮膚炎)と呼吸器(気管支喘息)です。気管支喘息は普段の呼吸に伴う症状のため、就寝中にも咳や喘鳴(ぜんめい)と呼ばれる「ゼーゼー」「ひゅーひゅー」を繰り返します。そのため子供の体力の消耗も激しく、辛い思いをしている子も大勢います。

しっかりとダニ対策をして、生活環境の改善を心がけましょう。